菅原道真と酒
道真は、「盃を停(と)めて且(か)つ論ず」「客を招く江村(こうそん)歳酒の盃」「晩春同門会飲して庭上残花を翫(もてあそ)ぶ」といった漢詩をつくっており、酒を嫌っている様子はないそうです。ところがその一方で、「性、酒を嗜(たしな)むことなく愁ひ散じがたし」「酒と弾琴とは吾知らず」とも詠っているそうです。これを歴史家坂本太郎は、当時の、飲酒の喜びに我を忘れるという、酒に耽溺することの多かった貴族社会、とくに文人達の中で、自分の酒の飲み方が「嗜む」とは到底いえなかったのだろう。愁いを消そうと盃を手にすればするほど愁いのまさりゆく人だったのだろうといっています。そして、道真は人としての弱さを多分にもっていて、それゆえに共感を持つと別の随筆で書いています。(「歴史随想 菅公と酒」
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